佐藤泰志さん
作家、佐藤泰志さんをご存知でしょうか。
芥川賞や三島由紀夫賞の候補に6度も挙がりながらも
受賞することは無く
今から26年前、41歳の若さで自死を選んだ作家です。
その方の作品が最近注目されているのですが
(いつしかの中日新聞にも取り上げられていました)
その中で
函館三部作と言われる作品の三作目、最終章が
17日公開となりました。
<函館三部作>
海炭市叙景
監督:熊切和嘉(私の男、夏の終わり他)
キャスト:谷村美月、竹原ピストル、加瀬亮他
そこのみにて光り輝く
監督:呉美保(きみはいい子、オカンの嫁入り他)
キャスト:池脇千鶴、綾野剛、菅田将暉他
そして
今回公開となった「オーバーフェンス」
監督:山下敦弘(天然コケッコー、苦役列車他)
キャスト:オダギリジョー、蒼井優、松田翔太
脚本:高田亮(そこのみにて光り輝くほか)
撮影:近藤龍人(そこのみにて光り輝く、私の男他)
オダジョーと蒼井優の共演は「蟲師」以来だと思うのですが
あの時は、なんだかなぁ~って感じでしたが
今回は全く違う!
ストーリーは
佐藤泰志さんの閉塞感やヒリツク思い、やるせなさは
そのまま継承されつつも、
この最終章はどこか明るい。
暫く引き摺りそうだと覚悟を決めて鑑賞したけれど
なんだか許しとか受容とか解放とか
前を向いて歩き出せる気持にさせられる映画だった、その日はね。
でも、反芻すればするほど、
時間が経てばたつほど、なんだか無性にヒリヒリ感に苛まれる
不思議な作品です。
なんだかんだオダジョーの映画はほとんど見ているけれど
今回の作品で、完全にファンになってしまった。
持ってかれたよー
(FOUJITAの時より、数倍光っているもの)
蒼井優ちゃんの恐ろしいほどの危うさや
他のキャストの演技も素晴らしく
函館の風景、バグパイプやクラリネットの音色が
なお一層この映画を忘れられない作品としています。
今年のキネ旬では上位に入り込むに違いない!
シネマイーラで10月14日まで上映されています。
決して楽しい映画ではありませんが
とても丁寧に撮られた素晴らしい作品だと思います。
オーバーフェンスHP ⇒
★
映画鑑賞記、
ロイヤル・ナイト、ブルックリン、裸足の季節がまだだった、、、
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